「夫の息遣いすらイライラする…」それ、ガルガル期かも?正体と夫婦で乗り越えるための取扱説明書

産後

「里帰りから戻った途端、夫のやることなすこと全てに腹が立つ」 「『手伝おうか?』と言われるだけでカチンとくる」 「赤ちゃんを触られたくない、私から奪わないでと思ってしまう」

もしあなたが今、こんな感情に戸惑っているなら、それは性格が悪くなったわけでも、夫への愛が冷めたわけでもありません。 産後のママの多くが経験する**「ガルガル期」**のせいです。

今回は、自分でも止められないイライラの正体と、夫婦の危機を回避するための乗り越え方を解説します。パパにも読んでもらいたい「対策」もまとめました。

そもそも「ガルガル期」ってなに?

ガルガル期とは、産後のホルモンバランスの変化によって引き起こされる、攻撃的・情緒不安定な精神状態のことです。

野生動物の母獣が、敵から子供を守るために「ガルルル…」と威嚇する様子に似ていることから、ネットスラングとして広まりました。医学的には「産後クライシス」の一因ともなり得る状態です。

なぜ起きるの?犯人は「愛情ホルモン」だった!

実は、このイライラの原因の一つは「オキシトシン」というホルモンです。 オキシトシンは、赤ちゃんへの愛情を深め、母乳の分泌を促すため、別名「愛情ホルモン」「幸せホルモン」と呼ばれます。

しかし、このホルモンには「他者への攻撃性を高める」という意外な副作用があります。 「赤ちゃん(守るべきもの)」への愛が強まるほど、それ以外の人(夫や義母など)を「敵(侵入者)」とみなし、攻撃して遠ざけようとする防衛本能が働くのです。

つまり、あなたが夫にイライラするのは、赤ちゃんを必死に守ろうとしている「良い母親」である証拠なのです。

パパが最大の被害者?夫にイライラしてしまう理由

「なんで実母や義母よりも、夫に一番イライラするの?」と悩む方も多いでしょう。理由はシンプルです。

  1. 「衛生観念」のズレ ママは新生児を守るため、菌やウイルスに過敏になっています。帰宅してすぐ手を洗わずに赤ちゃんに触ろうとするパパの行動は、ママにとって「汚い手で触らないで!」という恐怖の対象になります。
  2. 「当事者意識」の欠如 ママは24時間命がけで育児をしているのに、隣で爆睡していたり、スマホを見ながら「泣いてるよ」と言ったりする姿に、「なんで私だけ必死なの?」という孤独と怒りが爆発します。
  3. 一番甘えられる相手だから 気を使わなければならない義父母や他人には理性が働きますが、夫は本来もっとも心を許している相手。だからこそ、ホルモンの猛威がストレートに向かってしまうのです。

いつまで続くの?終わりの目安

個人差はありますが、多くの場合は以下のような経過をたどります。

  • ピーク時期:産後すぐ〜3ヶ月頃 ホルモンの変動が最も激しく、寝不足も重なる一番つらい時期です。
  • 落ち着く時期:産後6ヶ月〜1歳頃 生理が再開したり、夜まとまって寝てくれるようになると、憑き物が落ちたようにスーッとイライラが消えることが多いです。

「一生このままだったらどうしよう」と不安になる必要はありません。必ず終わりは来ます。

【ママ編】ガルガル期を乗り切るマインドセット

  1. 「これはホルモンのせい!」と割り切る イライラした時は「あ、今ホルモンが出てるな」と客観視しましょう。「夫が嫌い」なのではなく「脳がそう反応させている」だけです。
  2. 言葉にして伝える(爆発する前に) 察してもらうのは不可能です。「今はホルモンの影響で、少しのことでイライラしやすい時期なの。あなたのことが嫌いなわけじゃないけど、今は少し距離をとって見守ってほしい」と、落ち着いている時に伝えておきましょう。
  3. 睡眠を最優先にする 睡眠不足は理性を奪います。家事は手抜きをして、とにかく寝てください。産後ケア施設やシッターを利用して、物理的に離れる時間を作るのも特効薬です。

【パパ編】妻の地雷を踏まないための取扱説明書

もしこの記事をパパが読んでいるなら、以下の4つを徹底してください。これだけで夫婦関係は劇的に守られます。

  1. 「帰宅即手洗い・着替え」を徹底する これだけで妻の安心感は違います。「外の菌を持ち込まない」姿勢を見せてください。
  2. 「手伝う」と言わない 「手伝う(主体はママ)」ではなく、「俺がやる(主体は自分)」です。「何かやることある?」と聞く前に、ゴミ出し、洗い物、お風呂掃除など、目に見える家事を黙って片付けましょう。
  3. 理不尽な怒りも「受け流す」 今の妻は、手負いの猛獣と同じ状態です。何を言われても「今はそういう病気(時期)なんだ」と思い、反論せずに「大変だよね、いつもありがとう」と受け流してください。この時期の忍耐は、将来「あの時パパは優しかった」という信頼に変わります。
  4. 妻を「独り」にさせる時間を作る 1時間でいいので、赤ちゃんを連れ出し、妻が「誰の目も気にせず寝る」「ゆっくりお風呂に入る」時間を作ってください。

まとめ:敵ではなく「戦友」になるために

ガルガル期は、ママが赤ちゃんを守ろうとする本能の現れであり、誰にでも起こりうることです。 辛い時期ですが、ここを夫婦でどう乗り越えるかが、その後の何十年続く夫婦関係の絆を決めます。

「イライラしてごめんね」 「ホルモンなら仕方ないよ、いつもありがとう」

そんな言葉を掛け合いながら、この嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。 どうしても辛い時は、ひとりで抱え込まず、産後ケアホテルなどの第三者の手を借りて、心と体を休めに来てくださいね。

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